当院の婦人科検診の特徴
婦人科検診では、「がん検診」「超音波検査」などを行います。
自覚症状なく進行してしまうものもあるため、1年に1回程度の頻度で、多くの女性に受けていただきたい検査内容となっています。
なかでも、子宮や卵巣に関連する疾患は、早期発見・早期治療が大切であり、定期的な検診が重要になります。
ブライダルチェック
(妊活ドック)とは
「ブライダルチェック(妊活ドック)」は、名称だけ聞くと「結婚前後の検査」だと思われる方も多いと思います。
しかし、ブライダルチェックは婦人科系の疾患や妊娠・出産に影響のある病気を早期に発見するための検査となります。
また、妊娠中の女性は、通常に比べて身体がデリケートになっており、妊娠前は問題が生じていなかった症状や疾患でも、母体や胎児に悪影響が及ぼす可能性があります。
そのため、特に将来的に妊娠や出産を希望されている方であれば、お早めにブライダルチェックを受けることをおすすめします。
婦人科検診では
どのような病気がわかる?
婦人科検診では、一般的に「子宮頸部細胞診+婦人科内診」を行います。
子宮頸部細胞診+婦人科内診では、子宮頸部のがんの診断はできますが、その他の子宮や卵巣などの疾患の診断には不十分です。
そこで「経腟超音波検査」を実施することで、内診では見つけられない小さな疾患や卵巣の疾患を発見することが可能になります。
子宮頸がん
子宮頸部細胞診で、子宮頸部の細胞を採取し、前がん病変の有無やがん細胞の有無を確認します。
子宮頸がん検診で、要精密検査となった場合、2次健診のコルポスコピー検査、および組織診を行います。
また、子宮頸がんの原因とされる「高リスク型HPV(ヒトパピローマウイルス)」の有無を調べるHPV検査もあります。
子宮内膜症
子宮内膜、またはそれに似た組織が、本来あるべき子宮の内側以外の場所で増殖する病気です。
発生する場所により、「子宮腺筋症」「卵巣嚢腫」を形成することや月経痛、月経時以外の腹痛、不妊の原因となる場合があります。
婦人科内診のみでの診断は困難であり、子宮腺筋症や卵巣嚢腫を診断するためには経腟超音波が必要になります。
卵巣腫瘍(卵巣嚢腫)
卵巣内から発生し、卵巣が腫れて増大します。
また、多くは無症状のため、検診を受けることが重要になります。
ある程度大きいものであれば婦人科内診で見つけることが可能ですが、子宮筋腫との鑑別が難しいことに加えて、性質を診断するためには経腟超音波が必要になります。
子宮体がん
子宮体部の内側を覆う「子宮内膜」に発生する悪性腫瘍(がん)で、初期の頃から不正出血を自覚することが多いです。
月経不順や不正出血などの症状があれば放置せず、婦人科を受診して検査を受けることが早期発見に繋がります。 検査は子宮内膜細胞診を行います。
当院の婦人科検診のご案内
子宮頸がん検診
早期では一般的に自覚症状はないため、子宮頸がん検診を受診する必要があります。
また、子宮頸がんはHPVワクチンによって感染を防ぐことができるHPV(ヒトパピローマウイルス)16型と、18型への感染によって発症しやすいとされています。
HPVワクチンの接種で感染を防ぐことで、子宮頸がんの原因の50~70%を防ぐことができるとされています。
子宮頸がん検診を受ける年齢・頻度の目安や検診中の痛みについて
年齢・対象者
性交渉を経験したすべての女性
頻度
性交渉経験後は、1年に1回の受診をおすすめします。
また、子宮頸がんワクチン接種済みの場合でも検診は受けるようにしましょう。
検診中の痛み
検診の際、多少の違和感が生じます。
また、出産経験のない方は痛みとして感じることもあります。
痛みを感じやすいのは、検診最初の腟を広げる器具を挿入する時です。
一方で、子宮頸がん検査(頸部細胞診)自体は、ほとんど痛みがないか、まったくの無痛です。
子宮頸がん検診の詳細
問診
最近の月経の状態や月経周期、妊娠歴などを確認します。
細胞診
子宮頸部を優しく擦り、細胞を採取します。
子宮頸がん検診の流れ
2問診
3診察
4後日、検診結果をお渡し・ご説明
子宮頸がん検診の注意点
- 生理中は正確な検査結果が得られません。生理中の受診は避けてください
- 検査の際には下着を脱ぐ必要があります。着脱しやすい服装でお越しください
- 多少、出血する可能性があります。ナプキンを1枚ご持参ください
滋賀県の子宮頸がん検診
対象となる方
満20歳以上の女性(2年度に1回)
費用
1,000円~1,800円(お住いの自治体により異なります)
※検診以外に診察が必要になることもありますので、健康保険証をお持ちください
※高島市・甲良町・大津市・栗東市・湖南市・甲賀市・竜王町以外の方は、受診券は不要です。
卵巣がん検診
卵巣がんとは
卵巣は、女性の身体の中でもっとも腫瘍が生じやすい臓器であり、そのほとんどは良性ですが、悪性のもの(がん)もあります。
発症の原因としては「子宮内膜症」「骨盤内炎症性疾患」「多のう胞性卵巣症候群」などの疾患や「偏った食事や運動不足などの生活習慣」「長年にわたるホルモン補充療法」などが考えられます。
卵巣がんは、ほとんど症状が出現しません。
かなり進行してからようやく症状が出現し、「服のウエストがきつくなる」「下腹部の膨満感やしこり」「食欲低下」「便秘」「頻尿」といった症状が現れます。
一方で転移しやすく、症状に気づいて受診したら末期といった可能性もあります。
以上から、卵巣がん検診は、症状がなくても定期的に受けていただきたい検診です。
卵巣がん検診を受ける年齢・頻度の目安や検診中の痛みについて
年齢・対象者
全年齢の女性の方
頻度
1年に1回の定期的な検診をおすすめします。
子宮頸がん検診と一緒に受けましょう。
検診中の痛み
基本的に痛みはありませんが、性行為の未経験の場合や不安が強い場合には、直腸・腹部から行うこともできます。
遠慮なくお伝えください。
卵巣がん検診の詳細
超音波検査
超音波検査(エコー検査)によって、卵巣腫瘍の有無や腫瘍があれば詳細を調べます。
基本的には経腟で行いますが、希望により直腸・腹部から行うこともできます。
卵巣腫瘍が見つかった場合には、後日MRI検査を受けていただきます。
血液検査
場合によっては採血を行うこともあります。
卵巣がん検診の流れ
1ご予約・受付
2卵巣がん検診(超音波検査・血液検査)
3検診結果のご説明(当日)
卵巣がん検診の注意点
- 生理中は正確な検査結果が得られません。生理中の受診は避けてください
- 検査の際には下着を脱ぐ必要があります。着脱しやすい服装でお越しください
- 多少、出血する可能性があります。ナプキンを1枚ご持参ください
費用
項目 | 費用 |
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子宮頸がん検診(滋賀県) | 1,000~1,800円 (お住いの自治体により異なります) |
子宮頸がん検診(自費) | 8,000円 |
卵巣がん検診(自費) | 当院までお問合せください |