子宮頸管とは、子宮の入口と腟を繋いでいる部分を指します。
この部分にポリープが発生したものを、「子宮頸管ポリープ」と呼びます。 大半の場合には自覚症状は何もありませんが、不正出血や性交痛が生じる可能性があります。

子宮頸管ポリープと
子宮内膜ポリープの違い

ポリープのうち、子宮頸管にできるものは「頸管ポリープ」と呼び、子宮の内腔にできるものは「内膜ポリープ」と呼びます。
どちらもほとんどの場合は良性であり、自覚症状に乏しいことが特徴です。
頸管ポリープは比較的簡単に摘出できますが、内膜ポリープの場合は内視鏡を用いる必要があり頸管ポリープほど容易ではありません。

ほとんどの場合は無症状となります。 しかしポリープからの出血が起きやすくなるため、性交時や激しい運動の後の不正出血や、おりものの量が増えたり変色したりすることがあります。

発生原因ははっきりとは判明されていませんが、以下の影響が考えられています。

子宮頸管ポリープの場合

細菌感染による炎症や、ホルモンバランスの崩壊が影響している可能性があります。

子宮内膜ポリープの場合

女性ホルモンのエストロゲンの影響により、子宮内膜が異常に発達することが要因の１つだろうと考えられています。

検査・診断

経腟超音波検査

まず超音波で子宮内膜の観察を行います。
生理食塩水を子宮内に注入しながら超音波を行うこともあります。
月経によっても子宮内膜が増殖するので、周期によっては判別が困難な場合もあります。

子宮鏡検査

腟からカメラを挿入し、子宮内膜を直接観察します。
精度に優れているため、ポリープの個数や位置、サイズ、表面の特徴などを判別できます。

子宮内膜細胞診

内診台に座っていただき、子宮内膜の表面の細胞を採取します。
細胞を顕微鏡で確認し、悪性か良性かを確認します。

治療

子宮頸管・内膜ポリープの主な治療方法は次の通りです。

ホルモン剤内服

ホルモン剤を内服することで月経を引き起こし、子宮内膜をポリープごと剥がし落とす治療です。
複数薬剤の中から状態（乳がん、糖尿病、高血圧など）にあった薬剤を選択して治療します。
休薬期間が設定されることもあるため、飲み方はきちんと守る必要があります。

子宮頸管ポリープ切除術

鉗子（かんし）という器具を使用することで、子宮頸管ポリープを直接切除します。

子宮鏡下子宮内膜ポリープ切除手術

子宮に内視鏡を挿入し、鉗子を使用してポリープを切除します。
病変が広がっている場合には内膜を掻き取る「子宮内膜掻爬術」を検討します。

当院では専門技術を必要とする子宮鏡手術に対応しております。

子宮鏡手術のメリット

• 内視鏡手術のため、お腹に傷は残りません
• 術後の痛みはごく軽度です（個人差があります）
• 外来手術で行うため、仕事や日常生活に影響が少ないです
• 月経過多や月経痛に悩む方へ非常に効果的です

治療の流れ

子宮頸管・内膜ポリープの治療は保険適用で、下記の金額が費用の目安となります。